TOP / 古武道振興会とは

日本古武道振興会は令和7年に創立90周年を迎えました。明治維新以来、今日までおよそ160年の時が経過し、その中で本会は古武道という日本の伝統文化を正しく永く伝えるべく活動して参りました。
江戸時代以前に起源を持つ90流派、約1000人の会員から成る本会は、各流派の開祖の教えに従い日々の稽古に努め、その成果を各種奉納演武大会等で皆様に広く披露しております。
わが国の伝統文化財であり武士道精神の発露である古武道の保存振興に務めるとともに自己の品性の向上に努め、伝統文化を次世代に伝えていくことを目的として、今後も活動して参ります。
武士道精神とは、武道と表裏の関係にあった武士の人生観です。武士道の要は、義と礼であり、仁義礼智信の五常の徳目と勇気から生じるものです。
創起1900年を超える熱田神宮のご神体である草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)は、倭姫が「慎みて怠るなかれ」と諭し日本武尊に手渡したと言われています。会員の皆様と共にこの神剣(みつるぎ)の精神で伝統文化を継承し、現代社会に貢献して参る所存です。


武は「内に蔵して外にしめすべからず」と云われています。
毎日真剣に行じた事々を心の糧として謙虚な心を以て日常生活を意義づけてゆく事こそ古武道振興会の目指す所です。
戦技として発達し、また斗争の具として発達した武道も徳川三百年の平和なる時代に更に精練され、これが武道のみならず日常の生活規律や文化に融けこみ生かされて来ました。
礼式の中に又能楽や芸能の中に心構・身構えとして日常行動の規範となって活きています。この現代にまで受継がれているもろもろの文化的遺産の本源たる古武道が、もし絶えることがあったとなれば、之れは取り返しのつかぬ後悔ともなりましょう。
各流各派の流祖が心血を注いで大成し、一器より一器にうつす如く伝え来つた古武道の尊き伝統を各位の一層の精進とその完き継承とを切に望まれるものであります。
同時に先程も述べました様に、古武道の真髄を現代の社会に又日常の生活に生かしめる為にも各位の努力と研鑽を望むものであります。同時に古武道の心を日本人の心に活かしめる様、先づ青少年に対し、真の武道の教育が望まれるのであります。


日本古武道振興会は、故松本学先生の御提唱によって、昭和十年二月発足、同十五年四月四日財団法人としての認可を受け、爾来、各流古武道大会、指導者講習会、古武道展覧会等多彩な活動を続けてまいりました。大東亜戦争のために一時中断しましたが戦後活動を開始し今日に至っております。現在は多くの御流派の参加のもとに、明治神宮の十一月三日の大会を中心に、意義ある御神事の年には伊勢神宮、賀茂神社、熱田神宮等に御奉納し、その他奉納が戦前に引続き恒例となっている神社も多くございます。また日本古武道振興会としては活動の一環として機関誌「真鋭」を発行し三号まで発刊してきております。
一方各界の動向は、このところ武道館をはじめと多くの団体が古武道に注目し、復活への指向を示してきたことも古武道への関心の深まって事実ともいえましょう。
このことは古武道にとって有難いことではありますが、古武道を愛好して深く理解し、体験的基礎のもとに真に今後の道程を見つめることのできる人は、そう多くはないように思います。このような状況を考えますと、伝統を守り日本文化としての意義を、体験的にも深く理解されている宗家、師範をはじめ関係者の皆様方に今後を期待すること大なるものがあります。この意味で古武道振興会の皆様は邦家にとって大切な方々でございます。どうか今後とも皆様方とご一緒に日本のこの貴重な民族文化を守り振興するため、この日本古武道振興会に結集し、この会の益々の発展と隆昌を期したいと存じます。真鋭別冊はこの意義をこめて御送りいたします。
昭和五十五年十一月三日
初代会長 | 小山 松吉 |
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二代会長 | 松本 学(貴族院議員) |
三代会長 | 小笠原 清信(小笠原流弓馬術礼法 三十世宗家) |
四代会長 | 加藤 高(立身流 第二十一代宗家) |
五代会長 | 齋藤 聰(根岸流手裏剣術 第五代宗家) |
六代会長 | 飯篠 快貞(天真正伝香取神道流兵法第二十代宗家) |
七代会長 | 小笠原 清忠(小笠原流弓馬術礼法三十一世宗家) |
八代会長 | 加藤 紘(立身流 第二十二代宗家) |
九代会長 | 柳生 耕一(柳生新陰流兵法 第二十二世宗家/柳生制剛流抜刀 第十四世宗家) |
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会長 | 柳生新陰流兵法 柳生制剛流抜刀 | 柳生 耕一 |
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筆頭副会長 総務・事務局担当 | 鞍馬流剣術 | 柴田 章雄 |
副会長 法務担当 | 鹿島神當流剣術 | 吉川 常隆 |
副会長 審査受継他担当 | 田宮流居合術 | 妻木 達夫 |
常任理事 事務局長 | 小野派一刀流剣術・神夢想林崎流居合術・ 直元流大長刀術 | 笹森 ゆき子 |
常任理事 副事務局長 | 神道夢想流杖術 | 江角 和敏 |
常任理事 会計確認・事務局担当 | 双水執流小具足腰之廻組討・真蔭流柔術 | 宇佐美 裕司 |
常任理事 | 神道無念流剣術・無想神傳流拔刀術 | 小川 武 |
常任理事 EXPO実行委員長 | 宝蔵院流髙田派槍術 | 駒喜多 学 |
常任理事 | 大東流合気柔術 | 近藤 昌之 |
常任理事 | 荒木流軍用小具足 | 千葉 明 |
常任理事 審査入会担当 | 澁川一流柔術・無雙神傳英信流抜刀兵法 | 森本 邦生 |
理事 | 和道流柔術拳法・空手術 | 大塚 博紀 |
理事 審査受継他担当 | 夢想神伝流居合術 | 高橋 次秀 |
理事 | 示現流兵法 | 東郷 重賢 |
理事 会計担当 | 無比無敵流杖術・為我流派勝新流柔術 | 根本 憲一 |
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理事 | 気樂流柔術 | 水科 壽美 |
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監事 | 竹内流腰廻小具足 | 竹内 藤一郎 |
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評議員 | 天真正伝香取神道流 | 飯篠 快貞 小笠原 清忠 加藤 紘 |
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