TOP / 古武道振興会とは
今日まで数百年の長きにわたり綿々と伝えられてきた古武道は、古人が戦場で生と死を賭けた戦いの中で習得した実践武術です。
それが仁、義、礼、智、信という武士の誉れの信条とともに、心法技法の総合された美に醸成され、日本の誇るべき伝統文化財の一つとなりました。
古武道は歌舞伎、演劇、映画、文学、美術などの日本文化に大きな貢献をしており、日本語までに影響を及ぼしております。まさに時空を超えた日本の表象文化と言えるものです。
日本古武道振興会はこの誇るべき貴重な文化遺産である古武道の保存振興を目的として、昭和10年貴族院議員であられた松本学先生のご提唱により、小山松吉司法大臣など当時の有識者と古武道各流派代表者が集まり結成された日本最古の古武道団体です。現在約90流派千名が加盟し、毎年各地で古武道大会を開催し、古武道の保存振興に努めています。
この貴重な伝統文化である古武道の研鑽を重ね、日本はもとより世界への発信を続けたいと存じます。
武は「内に蔵して外にしめすべからず」と云われています。
毎日真剣に行じた事々を心の糧として謙虚な心を以て日常生活を意義づけてゆく事こそ古武道振興会の目指す所です。
戦技として発達し、また斗争の具として発達した武道も徳川三百年の平和なる時代に更に精練され、これが武道のみならず日常の生活規律や文化に融けこみ生かされて来ました。
礼式の中に又能楽や芸能の中に心構・身構えとして日常行動の規範となって活きています。この現代にまで受継がれているもろもろの文化的遺産の本源たる古武道が、もし絶えることがあったとなれば、之れは取り返しのつかぬ後悔ともなりましょう。
各流各派の流祖が心血を注いで大成し、一器より一器にうつす如く伝え来つた古武道の尊き伝統を各位の一層の精進とその完き継承とを切に望まれるものであります。
同時に先程も述べました様に、古武道の真髄を現代の社会に又日常の生活に生かしめる為にも各位の努力と研鑽を望むものであります。同時に古武道の心を日本人の心に活かしめる様、先づ青少年に対し、真の武道の教育が望まれるのであります。
日本古武道振興会は、故松本学先生の御提唱によって、昭和十年二月発足、同十五年四月四日財団法人としての認可を受け、爾来、各流古武道大会、指導者講習会、古武道展覧会等多彩な活動を続けてまいりました。大東亜戦争のために一時中断しましたが戦後活動を開始し今日に至っております。現在は多くの御流派の参加のもとに、明治神宮の十一月三日の大会を中心に、意義ある御神事の年には伊勢神宮、賀茂神社、熱田神宮等に御奉納し、その他奉納が戦前に引続き恒例となっている神社も多くございます。また日本古武道振興会としては活動の一環として機関誌「真鋭」を発行し三号まで発刊してきております。
一方各界の動向は、このところ武道館をはじめと多くの団体が古武道に注目し、復活への指向を示してきたことも古武道への関心の深まって事実ともいえましょう。
このことは古武道にとって有難いことではありますが、古武道を愛好して深く理解し、体験的基礎のもとに真に今後の道程を見つめることのできる人は、そう多くはないように思います。このような状況を考えますと、伝統を守り日本文化としての意義を、体験的にも深く理解されている宗家、師範をはじめ関係者の皆様方に今後を期待すること大なるものがあります。この意味で古武道振興会の皆様は邦家にとって大切な方々でございます。どうか今後とも皆様方とご一緒に日本のこの貴重な民族文化を守り振興するため、この日本古武道振興会に結集し、この会の益々の発展と隆昌を期したいと存じます。真鋭別冊はこの意義をこめて御送りいたします。
昭和五十五年十一月三日
初代会長 | 小山 松吉 |
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二代会長 | 松本 学(貴族院議員) |
三代会長 | 小笠原 清信(小笠原流弓馬術礼法 三十世宗家) |
四代会長 | 加藤 高(立身流 第二十一代宗家) |
五代会長 | 齋藤 聰(根岸流手裏剣術 第五代宗家) |
六代会長 | 飯篠 快貞(天真正伝香取神道流兵法第二十代宗家) |
七代会長 | 小笠原 清忠(小笠原流弓馬術礼法三十一世宗家) |
八代会長 | 加藤 紘(立身流 第二十二代宗家) |
会長 | 立身流加藤 紘 | 加藤 紘 |
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副会長 | 柳生新陰流兵法 柳生制剛流抜刀柳生 耕一 | 柳生 耕一 |
副会長 | 天道流薙刀術木村 恭子 | 木村 恭子 |
事務局長 常任理事 | 鞍馬流剣術柴田 章雄 | 柴田 章雄 |
常任理事 | 双水執流小具足腰之廻組討宇佐美 裕司 | 宇佐美 裕司 |
常任理事 | 神道無念流剣術・無想神傳流拔刀術小川 武 | 小川 武 |
常任理事 審査担当 | 大東流合気柔術近藤 勝之 | 近藤 勝之 |
常任理事 | 田宮流居合術妻木 達夫 | 妻木 達夫 |
常任理事 審査担当 | 無雙神傳英信流抜刀兵法・澁川一流柔術森本 邦生 | 森本 邦生 |
常任理事 | 鹿島神當流剣術吉川 常隆 | 吉川 常隆 |
会計担当理事 | 神道夢想流杖術江角 和敏 | 江角 和敏 |
会計確認理事 | 無比無敵流杖術・為我流派勝新流柔術根本 憲一 | 根本 憲一 |
理事 | 和道流柔術拳法・空手術大塚 博紀 小野派一刀流剣術・神夢想林崎流居合術・直元流大長刀術鈴木 ゆき子 関口流抜刀術祖父江 光紀 竹内流腰廻小具足竹内 藤一郎 根岸流手裏剣術・白井流手裏剣術苫米地 芳見 気樂流柔術水科 壽美 | 大塚 博紀 笹森 ゆき子 祖父江 光紀 竹内 藤一郎 苫米地 芳見 水科 壽美 |
監事 | 荒木流軍用小具足千葉 明 | 千葉 明 |
評議員 | 天真正伝香取神道流飯篠 快貞 | 飯篠 快貞 |